本学会の研修制度は、WONCA(世界家庭医機構)による国際認証を取得しています。
本学会の研修制度は、WONCA(世界家庭医機構)による国際認証を取得しています。
本学会の研修制度は、WONCA(世界家庭医機構)による国際認証を取得しています。
コンピテンシー:詳細
1.包括的統合アプローチ
1) 疾患のごく初期の診断を確定するのが困難である未分化で多様な訴えに対応し、また複数の問題を抱える患者に対しても、安全で費用対効果に優れ、不確実性や自己の限界を踏まえた医療・ケアを提供できる
2) 日常診療を通じて、恒常的に健康増進や予防医療を提供することができる
3) 医師・患者関係の継続性、地域の医療機関としての地域住民や他の医療機関との継続性、診療情報の継続性などを踏まえた医療・ケアを提供できる
4) 多疾患併存(multimorbidity)患者に対するアセスメントと、適切な医療・ケアの提供ができる
5) 複雑・困難事例に対する包括的なアセスメントや対応ができる
6) 性・年齢などに応じた多様性を考慮したアセスメントや対応ができる
7) 生活機能や障害を評価し、リハビリテーションを含めた医療・ケアのアプローチができる
8) 人生の最終段階におけるケアを、苦痛の緩和を含め、適切に行うことができる
2.一般的な健康問題に対応する診療能力
1) プライマリ・ケアの現場で遭遇する一般的な症候および疾患への評価および治療に必要な身体診察および検査、治療法を適切に実施できる
2) プライマリ・ケアの現場で遭遇する一般的な症候に対し、適切な鑑別診断と初期対応を行って、問題解決に結びつけることができる
3) プライマリ・ケアの現場で遭遇する一般的な疾患・病態について、適切なマネジメントができる
4) 地域住民が最初に受診する場において、見逃しがなく安全で効率的な医療・ケアを提供するために、適切な臨床推論を行う
5) 慢性疾患のケアに関して、患者のセルフケアの評価やサポートを行い、継続的な診療を実践できる
3.患者中心の医療・ケア
1) 患者中心の医療の方法を実践できる
2) 家族志向型の医療・ケアを提供するための体系化された方法を実践できる
3) 患者との円滑な対話と医師・患者の信頼関係の構築を土台として、患者中心の医療面接を行い、複雑な人間関係や環境の問題に対応するためのコミュニケーション技法とその応用方法を実践できる
4) 患者や家族のライフステージを考慮したケアを提供できる
5) EBM(Evidence-Based Medicine)を実践し、患者側および医療者側の価値に関する情報収集や構造化を行って、最適な意思決定につなげることができる
4.連携重視のマネジメント
1) 患者や家族、地域にケアを提供する際に多職種チーム全体で臨むために、様々な職種の人と良好な人間関係を構築し、リーダーシップを発揮しつつコーディネートできる
2) 切れ目のない医療および介護サービスを提供するために、医療機関内のみならず他の医療機関、介護サービス事業者などと円滑に連携できる
3) 所属する医療機関の良好な運営に寄与するために、組織全体に対するマネジメントができる
4) 保健・医療・福祉に関連した職種のそれぞれの機能や役割を理解し、それぞれの場面で最適な統合的ケアを提供できる
5) 継続的な診療の質向上や患者安全に向け、所属する部門や医療機関の改善に向けた取り組みを行える
5.地域包括ケアを含む地域志向アプローチ
1) わが国の医療制度や地域の医療文化と保健・医療・介護・福祉の現状を把握した上で、地域の保健・医療・介護・福祉事業に対して、積極的に参画できる
2) 地域の現状から見出される優先度の高い健康関連問題を把握し、その解決に対して各種会議への参加や住民組織との協働、あるいは地域ニーズに応じた自らの診療の継続や変容を通じて貢献できる
3) プライマリ・ヘルス・ケアの概念に基づき、地域住民全体の包括的な健康維持・増進にかかわることができる
4) 脆弱な集団のケアや健康の社会的決定要因を考慮し、患者やコミュニティのアドヴォケイト(擁護者/代弁者)として行動できる
6.公益に資する職業規範
1) 医師としての倫理性、総合診療の専門性を意識して日々の診療に反映することができる
2) 常に標準以上の診療能力を維持し、さらに向上させるために、ワークライフバランスを保ちつつも、生涯にわたり自己研鑽を積む習慣を身につける
3) 家庭医療の発展に貢献するために、教育者あるいは研究者として啓発活動や国際的視野に基づく学術活動を継続する習慣を身につける
4) 倫理的に困難な事例に関して、網羅的な情報収集と分析に基づく合理的な意思決定を行うことができる
7.多様な診療の場に対応する能力
1) 外来医療で、幅広い疾患や傷害、日常的な健康問題に対して適切なマネジメントができる
2) 救急医療で、緊急性を要する疾患や傷害に対する初期診療に関して適切なマネジメントができる
3) 病棟医療で、入院頻度の高い疾患や傷害に対応し、適切にマネジメントできる
4) 在宅医療で、頻度の高い健康問題に対応し、適切にマネジメントできる
※黒文字:総合診療専門医(基本領域)の研修目標
赤文字:レベルを考慮して上記を修正した箇所
青文字:新規に追加した項目